結論:OneDriveの「クラウド連携」ではなく、同期済みのローカルフォルダだけをMCPで扱う
Claude Desktopでfilesystem MCPを使うと、Claudeは指定したローカルフォルダ内のファイルを読み取り、作成、編集、移動できます。ただし、これはMicrosoft Graph APIを使ってOneDriveのクラウド全体へ接続する機能ではありません。Windowsに同期されているOneDriveフォルダを、filesystem MCPの許可対象として限定的に扱う方法です。
最初からDesktop、Downloads、OneDrive全体を許可する必要はありません。この記事では、空のテストフォルダだけを許可し、接続・読み取り・書き込みを確認してから利用範囲を検討する手順を解説します。業務ファイルや個人情報を含むフォルダを扱う前に、必ず会社の規程と権限を確認してください。
この記事でできること・できないこと
| できること | この手順だけではできないこと |
|---|---|
| Windowsに存在する指定フォルダ内のファイル操作 | OneDriveクラウド全体の検索やMicrosoft 365データの自動連携 |
| filesystem MCPの接続状態・許可ディレクトリの確認 | 会社の規程を越えた業務ファイルの利用 |
| 接続エラー時の設定・ログの切り分け | 任意のフォルダへの無制限アクセス |
始める前に:最小権限のテストフォルダを用意する
filesystem MCPは、許可したディレクトリ内で読み取りだけでなく、書き込み、編集、移動、削除を実行できます。指定したフォルダの範囲であっても、Claudeには強い権限が渡るため、まずは機密情報を含まないテストフォルダから確認してください。
- エクスプローラーで
Documents\MCP-Testのような空のフォルダを作成します。 - その中に、内容が機密ではない
sample.txtを一つ作成します。 - この記事の接続確認が終わるまで、Desktop、Downloads、業務のOneDrive同期フォルダは許可対象へ入れません。
会社PCでは、ローカル同期済みであっても業務文書を外部ツールに読ませてよいとは限りません。情報の種類、保存場所、Claude Desktopの利用可否を、所属組織の方針で確認してください。
事前準備:Claude DesktopとNode.jsを確認する
手動のJSON設定でfilesystem MCPを npx 経由で起動する場合は、Node.jsとnpmが必要です。PowerShellを開いて、次のコマンドで確認します。
node --version
npm --version
コマンドが見つからない場合は、先にWindowsでClaude DesktopとNode.jsを準備する手順を完了してください。現在のClaude Desktopでは、.mcpb形式のDesktop Extensionsを導入する方式もあります。Extension方式でNode.jsが同梱されるサーバーと、JSONでnpxを実行するfilesystem MCPは、必要な準備が異なります。
設定方式を選ぶ:Desktop ExtensionsかJSON設定か
Claude Desktopでは、Settings > Extensions からDesktop Extensionを導入・管理できます。提供元が.mcpb形式の拡張機能を用意している場合は、画面上で設定を確認しやすいこの方式を優先します。
一方、filesystem MCPを手動で起動する場合は、claude_desktop_config.jsonへJSONを登録する方式を使います。Windowsの設定ファイルは通常、次の場所にあります。
%APPDATA%\Claude\claude_desktop_config.json
画面構成はClaude Desktopのバージョンで変わることがあります。設定画面にDeveloperまたはAdvanced settingsがある場合は、そこで設定ファイルや接続状態を開けるかを確認してください。
Windowsでfilesystem MCPを登録する
以下は、C:\Users\username\Documents\MCP-Testだけを許可対象にする例です。usernameとテストフォルダの実際の絶対パスへ置き換えてください。Windowsでは、filesystem MCPの公式READMEに合わせてcmd /c npxで起動します。
{
"mcpServers": {
"filesystem": {
"command": "cmd",
"args": [
"/c",
"npx",
"-y",
"@modelcontextprotocol/server-filesystem",
"C:\\Users\\username\\Documents\\MCP-Test"
]
}
}
}
JSONではバックスラッシュを\\と二重に書く必要があります。パスは推測で書かず、実際に存在する場所を使ってください。次のコマンドで存在を確認できます。
Test-Path 'C:\Users\username\Documents\MCP-Test'
OneDriveを使っている場合:見た目のフォルダ名ではなく実体パスを確認する
OneDriveの既知フォルダー バックアップを利用していると、デスクトップなどの実体がC:\Users\username\OneDrive\Desktopのように移動していることがあります。ただし、全員が同じ場所になるわけではありません。自分の環境でWindowsが認識するパスを確認してください。
[Environment]::GetFolderPath('Desktop')
表示されたパスをそのまま広い許可対象にするのではなく、まずはその配下またはDocuments配下に作ったテストフォルダを使います。OneDriveの雲アイコンだけのファイルはPC上に実体がない場合があります。アクセス対象にする前に、ファイルをローカルへ保存し、組織の方針に反しないことを確認してください。
Claude Desktopを再起動して接続を確認する
- 設定ファイルを保存します。
- Claude Desktopを完全に終了してから再起動します。
- チャット入力欄の+を開き、Connectorsまたは管理画面でfilesystemが接続済みか確認します。
- 許可されているディレクトリがテストフォルダだけであることを確認します。
接続済みでも、操作のたびに内容と対象パスを確認してから承認してください。Claudeに「許可されたディレクトリを一覧表示して」と依頼すると、設定対象の確認に役立ちます。
読み取りと書き込みを安全にテストする
最初に次のような小さな依頼を行い、実行前の承認画面で対象パスを確認します。
- 「許可されたディレクトリを確認して」
- 「MCP-Testフォルダ内のファイル名だけを一覧にして」
- 「sample.txtを読み、3行で要約して」
- 「MCP-Testフォルダにtest-output.txtを作り、『接続テスト成功』と書いて」
書き込みテストが不要であれば、実施しなくて構いません。読み取りだけで目的を満たせる場合も、filesystemサーバー自体には書き込み可能なツールが含まれる点を理解し、承認内容を毎回確認してください。
接続できないときの確認順
| 症状 | 先に確認すること |
|---|---|
| filesystemが表示されない | JSONの構文、実在する絶対パス、Claude Desktopの完全再起動を確認する |
npxで起動できない | node --versionとnpm --versionを確認し、Windows設定ではcmd /c npxを使う |
| パスが見つからない | Test-Pathで実体パスを確認する。OneDriveの表示名を推測で入力しない |
| 接続後に操作が失敗する | 対象が許可ディレクトリ内か、ファイルがローカルに存在するか、承認内容が正しいかを確認する |
| 原因が分からない | %APPDATA%\Claude\logsのmcp.logとmcp-server-filesystem.logを確認する。機密パスやトークンは共有しない |
会社PCで使う前に確認すること
Claude Desktop、MCP、OneDrive同期フォルダが技術的に使えることと、業務データに使ってよいことは別です。会社PCでは、生成AIの利用規程、持ち出し禁止情報、個人情報、顧客情報、アクセス権限、承認手順を優先してください。迷う場合は、テスト用の非機密ファイルだけで検証を終え、担当部署へ確認するのが安全です。
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